胃食道逆流症の原因
食道下端にはおよそ3cmの長さで下部食道括約筋(LES)があり、この筋が緊張することにより胃内容の逆流を防いでいます。食べ物を飲み込むと、この筋は緩み、食べたものが胃の中へ流れるようにできています。なお、LESは平滑筋です。
年を取るとこのLESが緩んできて、胃液が逆流するようになります。また、肥満や過食などによりLESに胃からの圧力が加わった状態が続くことにより逆流が起こることがあります。胸腔内に胃の一部がはみ出す状態(食道裂孔ヘルニア)になり逆流が起こることもあります。
胃食道逆流症の症状
酸っぱいものが上がる(呑酸)、胸やけ、胸痛(または背部痛)、つかえ感。さらには喉の痛みや慢性的な咳が見られることもあります。
バレット腺がん
バレット食道上皮はやがて腸上皮化生から腺癌へと変化します。
バレット腺がんの発生率は、日本人では欧米人に比べ高くありません。
しかし、今後ヘリコバクターピロリの罹患率の減少、GERDの増加に伴いバレット腺がんも増加することが予想されます。